浜田竜郎のボンデージ夜話 第1夜(1999年4月24日)
 この章では、私浜田の好みや、ビデオの制作方針などについて触れました。あなたのマニア度と、どこ         まで一致するかチェックしてもらうと、今後私の作品を購入なさる時の参考になるかも知れません。         
 

 られている女性を見て、ゾクッとくる人。何も感じない人。その違いは、このページを読んで下さる方なら

お判りと思いますが、全く理屈ではない、感性の問題です。だから興味のない人にいくら理路整然と説明しても

全くわかってくれないだろうし、逆にこのテの感性を強く持った人には、何の説明もいりません。      

 れは、私のビデオを見てくれるお客様にもいえることだし、また私が今まで何十人(いや何百人かな?)と

撮ってきた、モデルの女の子にもいえます。縛りに対する感性が弱い女の子には、いちいち説明や演技指導!?を

しなければならないし、よほど可愛い子でない限り撮影していても面白くありません。それに対し、感性の強い

子は、何も説明しなくても、自分からこちらの望む以上の演技や表情をしてくれるので、当然撮っていても楽な

のは、ご想像の通りです。                                      

 だ、個人的にプレイするだけなら、多少ルックスなどに不満があってもそういう子の方が面白いのですが、

商品としてのビデオ、写真となると話は別。いくらM性の強い、いい子であっても、ルックスがせめて標準以上

でないと売り物にはならないし、また、同じキレイな子の中にも、“カメラ映り”のいい子と悪い子があって、

なかなか見た目通りには撮れません。おまけに私の作品は「モデルが可愛い」という定評?がいつの間にかでき

てしまっているので、それを裏切らないためにも、“モデル選び”には本当に苦労します。私の場合、プロダク

ション所属の「既成モデル」はほとんど使わず、純粋に「素人」かつ「縄処女(!?)」の子を足で地道にスカウト

するのですが、なかなかルックスと縛りに対する感性の、両方を備えた“A級品”の子には行き当たりません。

今まで撮ったモデルの中にも、十人いるかいないかでょう。                       

 た、せっかくいい素材?を見つけても、カメラ映りが原因で思ったほどキレイな絵が撮れない―というのは

茶飯事で、そういう時は自分の非力に本当に腹が立ちます。その上(書き出し早々ボヤキばかりで恐縮ですが)

撮影中は、「監督」兼「縄師」としてモデルのメイクから、縛り方、ライティング、録音の状況...と四方八方に

神経を尖らせないといけないので、皆さんが思っているほど脳天気(!?)な仕事では決してありません。ちょっと

油断していると、モデルの子に払う何十万というギャラが全く無駄になってしまうのですから。とくに最近は、

年齢的なモノもあって、撮影も結構重労働。終わった瞬間、その場にヘタり込んでしまうこともしばしばです。

ここ数年、新作のペースが大幅にダウンしたのをお客様によく指摘されますが、本業が忙しいのと同時に、少し

「疲れた!」―というのも正直なところです。何でも、仕事にしてしまうと途端に面白くなくなるものですが、

私もプライベートに緊縛ゴッコ(!?)をしていた頃が、ときどき懐かしくなります。             

 っとも、全然ハタケ違いの仕事をしている方々から見ると、そんなのは本当にゼイタクな悩みに見えるんで

しょうね。まあ私も、本業よりはこちらの方が面白いし、何だかんだ言いながらもあと1〜2年は頑張るつもり

ではいますが........。                                         

 っと、話がいつの間にかそれてしまいました。今日のテーマはこんな話ではありません。私浜田のボンデー

ジ嗜好についてです。最初にこれをお話することにより、今このページをお読みのあなたと、私の好みが、百%

合致するのか、微妙なズレがあるのかをチェックしていただくのが、本日の目的です。好みがピッタリ合うよう

なら、あなたにはこれからも私の作品を期待していただいていいし、逆にどこか食い違っているようなら、今後

私の作品に必要以上の期待を持たなくてすむ訳です。どちらにしても、まず何より先に論じておかねばならない

テーマだと思い、この『ボンデージ日記』(日記といっても、更新はたぶん何週間かに1回というペースになる

と思いますが.........)の最初に取り上げた次第です。                           

 て、話を冒頭に戻します。この世界は100%感性だと書きました。理屈ではないから逆に、他人に何と言わ

れようと絶対に譲れない、そういう部分を皆さんもお持ちでしょう。                   

 くに、一見浅そうで意外に深い場合があるのが、『縛り指向派』と『GAG(猿轡)指向派』の間のミゾ。

一例を上げましょう。今、目の前に好みの女の子がいて、その子にGAGをするか、縛るか、どちらか一つだけ

していいと言われたら、あなたはどうしますか。                            

 の場合は躊躇なく「縛る」方を選びます。GAGはなくてもいいから縛る方がいい。(それも、絶対後ろ手

縛り、胸縄付きで)なぜなら『縛り指向派』の私にとって「GAGのない縛り」は許せても、その反対、「縛り

のないGAG」には何の魅力も感じないからです。しかし逆に、強い『GAG指向派』の中には、迷わずGAG

をお選びになる方も決して少なくないでしょう。鼻覆いGAG、噛ませGAG、口中詰め、ガムテープ、ボール

GAG........と、それぞれコダワリの形で―。                              

 うひとつ例をあげましょう。あなたがTVを録画しようとして、“縛りは今イチ、でもGAGがいい”番組

と、“GAGは無し、でも縛りがいい”番組が同時に重なってしまったら、どちらを選びますか。(片方は再放

送で.......なんてのは無しですよ)                                   

 りマニアの私としては、いくら前者のGAGが素晴らしくても、縛りがいい加減、とくに“後ろ手胸縄”で

ないなら(まして手錠などは論外!)、後者を選びたくなります。やはり、体をまずキチンと拘束することが前

提。GAGはそのあとの話で、縛りさえ素晴らしければGAGは全然なくても満足してしまいます。これに対し

GAGに対する思い入れが強い人だと、おそらく前者を選ぶのでは........。いくら縛りがよくても、GAGなしで

はどこかモノ足りない、寂しいとお感じになるのではないでしょうか。                  

 う、TVで一つ思い出しました。刑事ドラマなどで人質役の女優が、手首を前で縛られただけで猿轡される

シーンがたまに出てきます。どうしてあんなにいい加減な演出をするのでしょうか。そもそも「人質というのは

たとえ両手で顔をさわることができても、猿轡だけはとらない人種である」と、ほとんどの監督、ADの方が思

い込んでいるのでしょうか。あまりに当然過ぎて書くのもバカバカしい程ですが、猿轡とは、それが取れない!

という状況で初めてその役を果たすもの。私が「後ろ手縛り」にしつこくこだわるのも、そのためです。(もっ

とも正直にいうと、過去には、女の子が気絶している―といったシチュエーションで後ろ手以外の縛りを撮った

こともあります。しかし最近は反省してやめました)...............そう言いながら、実は私も、ご多聞にもれずTV

ドラマや映画の縛りシーン、猿轡シーンを結構マメにチェックしている1人ではあります。が、せっかく録画し

ても、縛りが「前手首」だけだったり、胸縄がユルユルだったりすると(よほど女の子が可愛い場合を除いて)

その場で消してしまいます。どうせなら、もう少し現実に合った演出をして欲しいもので、この際マニアを代表

して全国の監督・ADの方々に、ひと言文句を言っておきます。........しかしそれを思うと、今は“伝説”となっ

てしまった、あの『気分は名探偵・スペシャル』の佐野量子(たぶん?)の緊縛シーン。あれなどは本当に最高

でした。シーン自体はそう長いものではありませんが、あれだけビシッと縛り・GAGの決まったシーンはそう

ザラにありません。あまりにマニアック過ぎて別の意味で非現実的!?なほどで、TVドラマ緊縛史?上に燦然と

輝く名作だと思います。マニアとしては、あんな番組をどんどん見たいものです)             

 がまたそれましたが、「縛り派」と「GAG派」のどっち寄りか―というこの問題、思っている以上に重要

です。とくに、私のビデオも含めたボンデージ物などは、作者がどちらに属するかによって、作品も大きく変わ

ってしまいます。皆さんも“経験的に”お分かりだと思いますが、業界人としての私が見ても、一般的に「縛り

指向」の制作者は、GAGにはわりと無頓着。またはGAGが下手クソ。逆に、GAGマニアが作った作品は、

GAGは素晴らしくても、縛りがユルユルだったり、キレイでなかったり。両方とも水準以上という作品(何を

もって水準というのかは深く考えないことにして)には、なかなか巡り合えないのが現実です。どうしても自分

の好きな方に力が入ってしまうんですね。もっとも、中には緊縛界の大御所N先生やY先生のように、どちらも

達者な人もいますが。....さて、それでお前はどうなのだ、という話になりますと、私浜田の場合、前述のように

かなり「縛り指向」が強いので、正直言ってGAGの方はそれほど得意とはいえません。と言っても、GAGを

決して“お座なり”にしているのではなく、GAGを強調したいシーンはそれなりに力を入れて撮っているつも

りです。ただ、いくらGAGがメインのシーンであっても、縛りマニアの意地(!?)で、縛りのあまり雑な映像は

撮りたくない。どんなシーンでも縛りには全力投球することになるので、自然、そちらにかける時間の方が長く

なってしまう―というワケです。                                   

 れに加え、私の作品をたくさん見て下さっている方はご承知と思いますが、私浜田にとってボンデージとは

SM的な「責め」の手段というより(それもいくらかはありますが)それ以上に、女の子をより美しく、可憐に

見せるための“究極の”手法です。つまり、ボンデージに「被虐美」よりも「可憐美」をひたすら求めるのが、

浜田流!?であり、その意味では、いくら上手でも女の子をキレイに見せない縛りは、私にはどうもダメ。GAG

も同様で、モデルの表情を美しく見せないGAG、言い替えればそのモデルに“似合わない”GAGは、どんな

に上手で凝ったものであっても好きになれません。一例をあげれば、モデルが丸顔だったり、鼻筋のあまり通っ

ていない子だと、鼻まで覆うGAGは似合わないことが多いので、私は意識的にあまり使いません。要するに、

あまり似合わないGAGを無理に使うより、GAGなしの方が美しく見えるならばまだその方がいい........という

発想が根底にあるのですね。それは逆に言うと、モデルを美しく見せるGAGならいくらでも使う―という意味

でもありますが、それでも、GAG指向の強いマニアが作った作品に比べると、GAGシーンの長さ、バリエー

ションなどで負けてしまうのは否定しません。                             

 らにもうひとつ、私の作品は、「その辺を歩いている可愛い子が悪人に捕われ、縛られた」という、わりと

日常的なムード(どこが日常的だ)を重視しています。いわゆるTVの刑事ドラマなどに近いシチュエーション

です。だから縛り方も比較的シンプルなものが多いし(最近はマンネリ打破の目的もあっていくらか昔よりマニ

アックになりましたが)、GAGについても、あまり“非現実的”なものや、マニアックなものは使いません。

例えば、あれはあれでまた良いとは思うのですが、革で口を覆い舌だけ出させるGAGとか、割り箸で舌を挟む

GAG等は、どうも作品のイメージが壊れてしまいそうで、使ったことがありません。ボールGAGも、最近は

リクエストが多いのでときどき使いますが、以前は全く使いませんでした。今でも、これを使うのは、ある程度

ボールGAGが“絵になる”女の子に限っています。.......ついでにもう一つ、スカーフによるGAGについて。

これも「昔はよく使ったのに、最近はなぜ頻度が減ったのか」という問い合わせをタマにいただくので、この機

会に一言ふれておきます。使わなくなった一番の理由は、手拭い等に比べGAGとしての機能にやや欠けるから

です。スカーフのGAGは確かにキレイですが、生地が薄いのですぐに唾液で透けてしまったり、ペチャンコに

なり、途中からGAGの役を果たさなくなってしまいます。そんな訳で、いつの間にかあまり使わなくなりまし

た。ただ、きれいに決まったスカーフGAGの美しさは捨て難いものがあるので、そのうちまた採用してみよう

かと思っています。                                         

 うやって書いてみると、GAGには縛りほどこだわっていないつもりだったのに、結構コダワリがあったの

ですね。(自分でも意外でした)........まあ、この辺についてはいろいろご意見もあるでしょうが、ここまで来る

と純粋に好みの世界で、いいの悪いのと議論しても普遍的結論のでる問題ではありません。万一耳障りな部分が

あったとしても、どうか1マニアの“タワ言”として聞き流して下さればと存じます。ただ、一つだけ言えるの

は、もしあなたが純粋なGAGマニアで、かつ私のビデオにどこか飽き足らなさを感じていらっしゃるとしたら

理由は今まで書いたうちのどこかにあるのではないでしょうか。                     

 お最後に、誤解のないよう繰り返しておきます。私の場合、あくまでも「縛りのいい加減なGAGシーンは

片手落ち」という理由で縛りを重視するだけで、決してGAG自体に興味がない訳ではありません。それは今ま

での説明でも十分お判りいただけると思います。キチッとした縛りに、キチッとしたGAG―これがボンデージ

 の理想形ですから、今後GAGにもいろいろ工夫をしていきたいと思っていることは、言うまでもありません。 

ただし、私にとってGAGとは口を塞ぐ道具であると同時に、女の子を美しく見せるための究極の手段。従って

その子に似合わないGAG、ない方がいいようなGAG、GAGのためのGAG!?は使わない―というコダワリ

だけは、これからもたぶん変わらないと思います。                           

 .......いろいろ勝手気ままなことを書いてきましたが、そろそろ第1回を終了させていただきます。長い駄文に

最後までおつき合い下さり、誠にありがとうございました。内容に多少ともご共感いただけるところがあったと

したら、ビデオ制作者としても、また1マニアとしても、光栄です。                   

 て、次回は私のもう一つの大きなコダワリ、なぜ撮影に「和服」を使わないのか、その理由(これは、私が

「時代劇」にあまり興味を持たず、従って私の「TV&映画緊縛シーン・コレクション」からも完璧に外してい

る理由でもあるのですが)について、ちょっとふれてみたいと思っています。着物ファンの方にはあまり面白く

ない内容だと思いますが、今後、私のビデオ作品に対する過剰な期待を、早めに捨ててもらう(!?) という意味で

は、ヒマをみて目を通していただければと思います。                          

                                       1999.04.24 浜田竜郎

 


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